User’s VoiceVol.43
パーソルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社記事一覧
「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」をミッションに掲げ、人材紹介サービス、求人メディアの運営、転職・就職支援、採用・経営支援、副業・兼業・フリーランス支援サービスなどを提供するパーソルキャリア株式会社。
クライアントP&M本部 インサイドセールス部 マネジャー松岡様・アシスタントマネジャー斉藤様、ならびにクライアントP&M本部 インサイドセールス部 IS企画グループの坂本様・猪口様から、導入前の事業課題や、なぜSalesNowの導入に踏み切ったのか、導入後の成果についてお話を伺いました。
導入前の課題
導入の決め手
導入後の成果
今後の展望
Q. まずは会社・事業について簡単に教えてください。
パーソルキャリア株式会社は「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」をミッションに掲げ、人材紹介サービス、求人メディアの運営、転職・就職支援、採用・経営支援、副業・兼業・フリーランス支援サービスなどを提供しています。
私たちが所属するクライアントP&M本部は、全社横断の営業・マーケティング機能を担う組織です。その中でもインサイドセールス部は、すでに当社と何らかの接点を持つ企業に対してアプローチし、各事業部の商談創出をミッションとしています。
特に重視しているのは、単なる商談獲得にとどまらず、その後の受注最大化、さらにはLTV(顧客生涯価値)の最大化までを見据えた活動です。
インサイドセールス部が、中堅大手向けの法人開拓施策として大きく分けて2つの取り組みを実行しています。ひとつは、これまで取引のなかった中堅・大手企業(約300社超)への新規アプローチ、あるいは過去に取引がありながら現在は休眠状態にある企業の掘り起こし。もうひとつは、各事業部から届く約1,000社規模のターゲット企業リストをもとに、戦略的に開拓を行う取り組みです。
私たちの大きな強みは、パーソルキャリアが持つ豊富な商材ラインナップ。求人メディアからフリーランス支援まで、企業の多様なニーズに応えられる体制が整っています。加えて、50~60名規模のインサイドセールス部隊を抱えている点も、業界内では希少な存在といえるでしょう。人とデータを掛け合わせ、確度の高い提案とスピーディなアクションで、BtoBビジネスを力強く前進させています。
営業アプローチ前の情報収集とSalesforceのハウスリストの有効活用が、
生産性のボトルネックになっていました。
Q. 導入前の組織課題について教えてください。
大きく3つありました。
まず、アプローチ前の情報収集に膨大な工数がかかっていました。
新規のお客様や、過去に取引実績があるものの現在は休眠している企業にアプローチする際、まず担当者の情報を把握するまでに非常に時間がかかっていました。
すでに退職されていたり、何度かけてもつながらない、あるいは受付でブロックされてしまったりというケースも多く、肝心の商談フェーズまで到達するのが困難な状況。営業活動のスタート地点である「接点獲得」に大きな工数を割かざるを得ず、本来注力すべき提案やクロージングに時間を使い切れていない、というジレンマを抱えていました。
次に、Salesforceに蓄積されたハウスリストのさらなる有効活用です。
社内ではSalesforceを営業基盤として活用しているものの、これまでの歴史の中で溜まってきた膨大なハウスリストは「宝の持ち腐れ」状態にありました。
情報が整理されておらず、必要なタイミングで的確に使えない。過去に他社の企業データベースツールを導入した経験もありましたが、Salesforceとの連携機能が限定的で、ツール間を行き来することが、かえって非効率の要因に。
「Salesforceと親和性の高い形でデータを紐づけ、ワンプラットフォームで営業活動が完結する環境を整えたい」というのが喫緊の課題でした。
最後に、営業アプローチの“質”の向上です。
従来は「採用やっていますか?」といったストレートなヒアリングから始まる会話が中心で、興味関心がなければそのまま終話してしまうことも少なくありませんでした。
お客様の業種や企業の動きなど、事前情報をもとに仮説を立ててアプローチできれば、より深い対話が可能になるはず。商談率や歩留まりの改善には、事前準備と情報武装が欠かせないと考えていました。
企業情報の網羅性の高さと、
Salesforce連携の操作性の良さが決め手でした。
Q. SalesNow導入までの検討内容や、導入の決め手について教えてください。
私たちはSalesNowの導入にあたって、インテントデータ系の他ツールとも比較検討を行いました。その中で、SalesNowを選ぶ決め手となったのは、大きく2つの観点でした。
まずは、企業情報の網羅性です。特に、求人掲載情報や移転情報など、営業アプローチのきっかけになる「アクティビティデータ」をどれだけカバーできているかは、重要なポイントでした。
当社でも一部の求人情報を自社で収集・Salesforceに蓄積していますが、カバー範囲が限定的で、主に大手媒体の情報に限られていました。SalesNowは、アルバイト情報やハローワークの求人なども含めて幅広く網羅しており、これまで拾えていなかった企業活動を可視化できる点が大きな魅力でした。
また、「関係会社」の機能を活用することで、グループ企業の採用動向も一目で確認できるようになり、企業の検索性も格段に向上。これにより、お客様の状況が俯瞰的に把握しやすくなり、新たな会話の糸口が生まれるようになりました。
もうひとつの決め手は、Salesforceとの連携性の高さです。
過去に導入していたツールでは、Salesforceと別画面での操作やデータの行き来が必要で、現場にとっては大きなストレスとなっていました。入力の手間が増えるうえに、ツールごとの使い分けも負担となり、業務全体の非効率につながっていました。
その点、SalesNowはSalesforceとの連携を前提に設計されており、データ入力の役割分担も明確。Salesforce内で完結するスムーズなワークフローを実現できる点が、非常にフィット感がありました。実際に導入イメージを描いた際にも、「現場のオペレーションにそのまま溶け込める」と確信できたことが、意思決定の大きな後押しになりました。
データを活用して、営業1人あたり月1営業日分の工数削減、
商談化率が2倍に。
Q. SalesNow導入後の成果について教えてください。
まず、1人あたり月8時間、1営業日分の削減に繋がっています。
導入前は、「そもそもどこに電話をかけるべきか」がわからず、情報収集に多くの時間を要していました。SalesNowのデータを活用することで、アプローチすべき企業や部署、担当者の情報が明確になり、1人あたり月8時間(=約1営業日分)の業務削減につながっています。
「この企業のこの部署にかければ話ができる」という“あたり”がつけられることで、これまでのように手探りで架電先を探す必要がなくなり、より戦略的な営業活動が可能になりました。
さらに、商談化率も2倍近くになっています。
これまでは、10件架電して1〜2件つながれば良いという状況でしたが、現在では10件中3〜4件と、接続率が約2倍に。担当者情報や部門情報をもとにした精度の高いアプローチによって、受付ブロックの突破率が上がり、商談化までのスピードも向上しました。加えて、新規企業と接点が持てたことで“資産”として引き続き活用できるため、顧客との継続的な関係構築にもつながっています。
最後に、営業アプローチの質にも、明らかな変化がありました。
これまでは、Webサイトや求人メディアの情報をもとに「採用されていますか?」とストレートに聞くスタイルが中心でしたが、SalesNowを使うことで、決算期や移転などの企業アクティビティ情報をもとに仮説を立てた会話ができるように。お客様の関心や課題にフィットする話題で切り込めるため、会話の深さと広がりが圧倒的に変わりました。
データドリブンな営業で、
より深く・広くお客様とつながっていきたいです。
Q. SalesNowで今後取り組んでいきたいことを教えてください。
SalesNowの導入により、営業の「生産性」や「商談化率」といった成果は着実に表れていますが、私たちはこれをあくまで出発点と捉えています。今後は、データを起点とした営業活動のさらなる進化に取り組んでいきたいと考えています。
まず取り組んでいきたいのは、データ活用による生産性の向上と、それに伴う“アプローチ総量”の拡大です。これまで接点を持てていなかった新たな顧客層に対しても、的確にアプローチできるようになれば、接点の総量そのものを増やすことができます。データに基づいてアプローチ対象の選定精度を高め、潜在層を含めた新しいお客様との出会いを創出することが、私たちの次なるチャレンジです。
加えて、今後さらに注力していきたいのが、お客様の課題を引き出す「質の高い営業」の実現です。営業活動においては、「お客様と何を話すか」が非常に重要です。その精度を高めるためにも、事前の仮説構築が欠かせません。SalesNowの情報を活用することで、より深い課題提起が可能となり、お客様自身もまだ気づいていなかった潜在的なニーズを引き出せる可能性が広がります。
実際にSalesNowを使い始めた初週から、現場のメンバーも「何を話すかを考えるための情報源」としての有効性を実感しています。営業を受けるお客様にとっての体験価値を高めると同時に、私たち自身の営業力の底上げにもつなげていきたいと考えています。
さらに今後は、大手企業との接点拡大や、既存のハウスリストの再活性化にも取り組んでいく予定です。特に新規開拓領域においては、属人的な経験や勘に頼るのではなく、客観的なデータを軸にした戦略的アプローチが求められています。SalesNowをその中核に据え、人の力とデータの力を掛け合わせることで、インサイドセールス部全体のレベルアップを図っていきます。
また、Salesforceとの連携もさらに強化し、求人件数や公開日など、より詳細な求人データを連携することで、既存のハウスリストを“眠れる資産”から“活用できる資源”へと進化させていきたいと考えています。営業活動の起点として、より精度の高い提案につなげていくことを目指していきます。
取材のお時間いただきありがとうございました!