User’s VoiceVol.42
SMBC日興証券株式会社
「いっしょに、明日のこと。」をブランドスローガンに掲げ、国内外で総合的な金融サービスを提供するSMBC日興証券株式会社。Nikko Open Innovation Labに所属する清水様と藤原様に、導入前の事業課題、SalesNow導入を決断した理由、そして導入後に得られた成果についてお話を伺いました。
導入前の課題
導入の決め手
導入後の成果
今後の展望
Q. まずは会社・事業について簡単に教えてください。
SMBC日興証券は、「いっしょに、明日のこと。」をブランドスローガンに掲げ、国内外で総合的な金融サービスを提供しています。その中で私たちは、新規事業開発を担う Nikko Open Innovation Lab(略称:NOIL) に所属しています。NOILは2020年に設立され、今年で5年目を迎えた比較的新しい組織です。
2019年に社員が独自のビジネスプランを応募する新規事業創出プロジェクト「Nikko Ventures」が初めて開催されました。このプロジェクトは、応募されたアイデアの中から審査を経て、最終的には社長や役員に向けたプレゼンテーションが行われるのですが、その後、採択された事業案は発案者がNOILに異動し、専任として事業化に向け活動を開始します。
現在、NOILには現在24名(インタビュー時点)が在籍し、各チームは2~3名のユニットで構成されています。各ユニットがそれぞれ異なるテーマに取り組んでおり、BtoC向けのサービスからBtoB向けのビジネスプランまで、多岐にわたるプロジェクトが進行中です。
私たち自身も事業案が採択され、2023年4月からNOILに異動し、中小企業が抱える事業承継問題に関する新規事業の立ち上げを推進しています。
新規事業立ち上げにあたり、
未上場企業に関する網羅的な情報が必要でした。
Q. 導入前の組織課題について教えてください。
未上場企業に対する網羅的な情報収集が難しいことが課題でした。
当社では、総合証券会社として長い歴史の中で培った独自の企業データベースを保有しています。全国に105支店があり、各担当者が日々蓄積してきた企業情報が集約されています。このネットワークは当社の強みの一つですが、一方で課題も抱えています。
主な課題として、新規事業のマーケティングにおける活用を目的としたデータの構造化がされていない点が挙げられます。各支店の担当者は既存事業における営業記録を残すことを目的に、情報をテキストベースで入力しているため、「エリア別」「業種別」での検索や、「類似企業」などを簡単に検索することが難しい状況です。また、情報の多くが担当者によるヒアリングを基にしており、そもそも企業データベースとして活用されることを前提としていないため、新規事業部署での活用には適していませんでした。
私たちは、新規事業の立ち上げを担う立場として、その内容に応じた多様なターゲット企業を選定する必要があります。そのためには、未上場企業も含めて網羅的に企業情報を活用できるデータベースが不可欠でした。
既に社内では信用調査会社が提供する企業情報を活用していますが、大量の企業を調べる際にはコストが高額となり、現実的ではありません。そこで、よりコスト効率が良く、ニーズに合ったツールを模索していました。
日本全国550万社を完全網羅した上で、
3,000項目以上に細分化された業界タグが魅力でした。
Q. SalesNow導入までの検討内容や、導入の決め手について教えてください。
他社のインテントデータツールや老舗データベースとの比較検討を経て、SalesNowを導入させていただくことになりました。その主な理由は以下の3点です。
まず、法人登記されている日本全国550万社の企業が完全網羅されている点です。
SalesNowは、法人登記されている日本全国550万社の企業情報を網羅されています。他のツールも検討しましたが、カバー範囲は100万~200万社程度に留まり、網羅性に課題がありました。この規模のツールでは、一定規模以上の企業に関する情報が中心となるケースが多く、当社が必要とする未上場企業の情報が不足していました。一方でSalesNowは、最新のデータで未上場企業も含めて全国をカバーしており、新規事業における多様なターゲット選定が可能という点で大きな魅力がありました。
次に、3,000項目以上に区分された業界・事業内容タグです。
例えば、建設・工事業においても「パワービルダー」「ディベロッパー」「内装工事」「空調設備」など、細分化された情報が得られます。このような精緻な業界区分により、未上場企業の中からターゲット企業を具体的に抽出しやすくなり、新規事業におけるターゲット設定を明確にイメージできました。
最後に、SFA連携における機能の充実度・連携のスムーズさです。
当部では将来的にSFAの導入を予定しており、その際の連携のスムーズさも重要な検討ポイントでした。他のツールでは、連携機能がなかったり、データ連携の設定負担が大きい中、SalesNowはシームレスな連携を実現。企業データの自動付与・更新機能が備わっており、担当者の業務負担を軽減する点で大変魅力的でした。
データによって、マーケティングのプロセスを効率化。
AI生成のデータ活用で情報収集の工数削減。
Q. SalesNow導入後の成果について教えてください。
まず、SalesNowを導入したことで、企業情報を活用してマーケティングのプロセスが大幅に効率化されました。
特に、3,000以上に区分された業界タグが活用できることで、より的確なターゲティングが可能になり、次のステージへと進むスピードが加速しています。これまでは社内の各部署や支店から情報を集めたり、Web検索で情報収集していたのですが、その必要が無くなり、情報収集をSalesNowに一本化できています。
またAIによって生成されたデータ活用により、企業情報の収集にかかる工数が大幅に削減されました。
新規事業の検討を進める際には、ターゲットリストの作成や、ターゲット候補企業がどのような会社かを調査することが多々あり、そういった場面でSalesNowを活用しています。特に、AIが生成する企業概要の説明文は非常に便利です。例えば、初期的に企業の情報を調べたい際に、その会社の概要を素早く把握することができます。たとえ簡単な内容でも概要がつかめることで、業務効率の向上と調査時間の短縮に繋がっています。
事業概要文 Powered by AIのイメージ
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000906.000049221.html)
SFA導入で一元化された顧客データベースを構築し、
データ活用による業務効率化を推進していきたい。
Q. SalesNowで今後取り組んでいきたいことを教えてください。
まず、データ活用による業務効率化を推進していきたいです。
新規事業の立ち上げでは、仮説検証を迅速に繰り返す必要があり、事業内容によってターゲットは多岐にわたります。そこで、SalesNowの企業データを活用し、データドリブンなアプローチで仮説検証を効率的に進めていきたいと思っています。
また、SFAの導入とSalesNowとの連携を通じて、静的+動的な顧客情報を一元管理するデータベースを構築したいと考えています。
SalesNowの企業データは、この顧客データベースの基盤となる重要な情報源です。ゼロから企業情報を構築するのは現実的ではなく、SalesNowが提供する静的なデータだけでなく、動的なデータも活用することで、より実用性の高い顧客管理システムを実現したいと考えています。SFAとのスムーズな連携も視野に入れ、効率的なデータ活用を目指しています。
取材のお時間いただきありがとうございました!