

User’s VoiceVol.049
株式会社Speee
2007年11月 設立 ITコンサル
735名(2025年7月現在)
Salesforce連携による企業情報収集の効率化で、ISの架電数が約2倍に。
「解き尽くす。未来を引きよせる。」をミッションに掲げ、DXコンサルティング ・レガシー産業DX・金融DXなどを提供する株式会社Speee。MI事業本部CX本部 バントナー事業部の喜多村様、富澤様から、導入前の事業課題や、なぜSalesNowの導入に踏み切ったのか、導入後の成果についてお話を伺いました。
事業内容
DXコンサルティング 、レガシー産業DX、金融DX
導入前の課題
- Salesforceの名寄せや企業データの付与がされておらず、Tier分析ができなかった
- 注力企業の優先順位に対する認識が、マーケとIS間でずれていた
- 「攻めるべき企業かどうか?」の確認作業が都度発生し、その分ISの架電効率が低下していた
- 市場やリードに関する定量的な分析も困難だった
導入の決め手
- 売上レンジや業界カテゴリの詳細な分類分けが可能
- Salesforceとの連携でTier振り分けの自動化が実現
- インテントデータに対する実用性の懸念がSalesNow決定の後押しに
導入後の成果
- ターゲット企業の明確化により、架電効率・施策の精度が向上
- Salesforce上でキャンペーンを即時振り返りすることが可能になった
- ISの情報収集工数を削減し、1人あたり架電数が約2倍に
- 展示会ブースでの即時検索により、商談の質が向上
今後の展望
- 業種・IR情報・組織図を活かした“仮説型ヒアリング”の強化
- 組織図を起点としたABM展開で、キーマンアプローチの精度向上
- Slack通知による企業動向の即時把握の仕組み化
- AIサマリ活用によるリサーチ工数の削減と質の底上げ
Q. まずは会社・事業について簡単に教えてください。
株式会社Speeeは、「解き尽くす。未来を引きよせる。」をミッションに掲げ、DX支援事業を幅広く展開しています。
当社のDX支援は、主に3つの軸で構成されています。ひとつは、不動産業界をはじめとしたレガシー産業のDXです。業界特有の構造や慣習を理解したうえで、現場に深く入り込んだ支援を行っています。単なるIT化ではなく、業界そのものの在り方に踏み込む変革支援を目指しています。
もうひとつは、企業そのものを起点としたDXです。SEOや広告などの集客支援を中心にしつつ、会社全体にまたがるDXの設計・実行までを伴走します。業務や部門の部分最適にとどまらず、組織横断での変革を支援している点が特徴です。
さらに、金融領域におけるブロックチェーン技術を活用した先進的な事業にも取り組んでいます。
2007年の創業以来、Speeeでは30以上の新規事業を立ち上げ、10以上の事業を現在も継続しています。こうした実績から、新規事業開発における知見やノウハウが蓄積されているのが当社の大きな強みです。自社で実際に事業を伸ばしてきた経験があるからこそ、クライアントに対しても肌感覚を持ったリアルなDX支援が可能だと考えています。
中でも「バントナー」という事業では、経済産業省が定義している「特定中堅企業」に近い売上100億〜2,000億円規模の中堅企業に特化したDX支援を行っています。この規模の企業は、DX人材の確保が難しく、大手コンサルが入りづらいゾーンです。Speeeはそのギャップを埋める存在として、経営層と直接対話しながら本質的な支援を提供できるポジションにあります。
私たちは「中堅企業のDXこそが、日本全体を元気にするカギ」だと信じています。そして、その変革の現場に立ち会い、実感を持って支援できることこそが、Speeeで働くことの大きなやりがいだと思っています。

「この企業って攻めるべき?」が共通認識になっていませんでした。
Q. 導入前の組織課題について教えてください。
導入前の大きな課題は、Salesforceにおける企業データの整備が不十分だった点です。
具体的には名寄せができておらず、業種や売上といった属性情報が欠落していました。そのため、注力企業をTier分けして「マーケティングとインサイドセールスの優先順位を揃える」といった取り組みができていませんでした。
結果として、現場では「この企業って攻めるべきなんですかね?」という確認が都度必要となり、ISの架電時間が削られる状況に。属人的な判断に頼らざるを得ず、非効率が常態化していました。
さらに、分析面でも課題が顕著でした。セグメントの条件を定義することはできるものの、「その条件に当てはまる企業数が市場全体でどの程度存在するのか」「そのうちどこまでリードが獲得できているのか」「リードの内訳はどうなっているのか」といった定量的な把握ができていませんでした。

SalesNowの独自データで、
ターゲット企業が明確になるイメージがつきました
Q. SalesNow導入までの検討内容や、導入の決め手について教えてください。
接点を持ちたい企業が明確に見える——この点が、導入を決めた大きな理由のひとつでした。
具体的には、100万社以上の売上レンジを細かく検索できる柔軟性や、業界が大・中・小の3,000カテゴリに細分化され、精緻な分析が可能な点が大きな魅力でした。
さらに、Salesforceとの高い連携性も決め手に。Salesforce内でオートメーションを組み込み、企業データに基づいてTierを自動で振り分ける仕組みが構築できると考えました。導入後はその通り、ルールベースでのスムーズな振り分けが実現しています。
こうした背景も踏まえ、ツールを比較検討する中で、私たちのフェーズでは『インテントデータの精度』よりも『企業データベースの網羅性と質』を重視すべきだと総合的に判断しました。特にバントナーやDXコンサル領域はインテント検知が難しく、他社からも『インテントデータの有用性に限界があった』という声を聞いていたこともあり、SalesNowの充実した企業データ基盤が導入の決め手となりました。

ISの架電数約2倍・展示会現場でも活躍。
営業・マーケ両面で即時判断と効率化が進みました。
Q. SalesNow導入後の成果について教えてください。
SalesNowの導入によって、ターゲット企業が明確になり、営業全体の効率が大幅に向上しました。
まず、Tier分類による優先順位付けが可能になったことで、ISの架電効率が飛躍的に改善。情報収集の工数も削減された結果、架電数は従来の約2倍に増加しました。特に、部署直通番号のデータがSalesNowで取得できる点は商談化率の向上に大きく貢献しています。
さらに、Tier1〜Tier4の分類に応じて1社あたりのアプローチ数やリソース配分を最適化。たとえばTierごとにコンタクト頻度に傾斜をかけるなど、営業活動の仕組み化も進みました。
マーケティング面でも効果は大きく、手紙送付やセミナー、キャンペーン施策のターゲット企業が明確になったことで、施策の無駄打ちが減少。
加えて、セミナーやキャンペーン後の振り返りも即座に可能に。「ターゲット企業が実際に来てくれたか?」をすぐ確認できる体制が整い、週単位で次々と新しい施策が求められるマーケ現場にとって、振り返りスピードの向上は非常に重要な成果でした。
また、展示会の現場でもSalesNowは活躍しています。来場者の会社名をその場で検索し、ターゲットかどうか即座に判断。その場の顧客コミュニケーションがスムーズになり、最適な提案につなげることができています。

ISのヒアリング精度向上からSlack通知連携まで。
SalesNow活用の深化を目指します。
Q. SalesNowで今後取り組んでいきたいことを教えてください。
今後SalesNowで特に注力したいのは、ISのヒアリング精度のさらなる向上です。
ISはコンサルタントのように直接お客様の課題に深く入り込む立場ではないため、仮説を持ってヒアリングを進めること自体の難易度が高い。しかしその仮説の精度こそが、成果に大きく影響します。
だからこそ、業種・企業規模・IR情報といったデータに加え、組織図などの定性情報も統合的に活用し、「この企業はどんな取り組みをしていそうか」「今、どんな課題に直面しているのか」といった事前仮説の質を高めていくことが重要だと考えています。そのための体制を整えていきたいと思っています。
また、SalesNowの組織図データの活用強化も今後の重点ポイントです。ABMを展開する上で、キーマンへのアプローチ設計には組織構造の把握が不可欠。将来的には、SalesNow上でパワーチャートができるようになると理想的です。
さらに、企業動向をSlackで即時に検知できる仕組みも強化していきたいです。SalesNowでは企業のアクティビティがリアルタイムに反映されるため、たとえばTier1企業でDXに関する動きがあった際にSlackで通知を受け取り、即座に対応できるような連携を実現したいと考えています。
最後に、AIサマリのさらなる活用も見据えています。企業概要やIR情報のAI生成文を活用することで、ISの事前リサーチの工数削減と精度向上を両立できます。SalesNowでは今後もデータアップデートが予定されていると伺っており、この精度がさらに向上することで、営業現場の生産性を一段と高めていけるはずです。

取材のお時間いただきありがとうございました!