

User’s VoiceVol.046
GMOペイメントゲートウェイ株式会社
1995年3月 設立 その他金融関連サービス
853名(2025年5月現在)
営業1人あたり3時間かかっていた業務がわずか数分に。「データを使って営業する」という文化が醸成されました。
「決済で、次をつくる」のミッションのもと、決済ソリューションを基盤とし、企業のオンラインシフト、キャッシュレス社会への適応、さらには事業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるための革新的なサービスを提供しているGMOペイメントゲートウェイ株式会社。イノベーション・パートナーズ本部 営業推進部 部長の岡村様、営業推進部 マーケティング課 シニア・リーダーの石原様から、導入前の事業課題や、なぜSalesNowの導入に踏み切ったのか、導入後の成果についてお話を伺いました。
導入前の課題
- 営業担当者は300名体制で、企業調査にかかる工数削減と精度の向上をしたかった
- 十数万店舗の加盟店を抱える中、膨大な顧客データ基盤の整備と活用が必要だった
導入の決め手
- 高い名寄せ率やSalesNow独自データなど「データ品質」の高さ
- 必要な機能が過不足なく整っており、コストとのバランスも非常に優れていた
導入後の成果
- 約3時間かかっていた企業調査の作業が、SalesNowの活用によって数分に短縮
- Salesforce連携によってデータエンリッチメントを実現
- 「データを使って営業する」という文化が醸成された
今後の展望
- 営業データ基盤の整備をさらに強化していきたい
- 営業とマーケティングの目線を合わせるために、データを共通言語として活用していきたい
- 新たなプロダクトや事業の立ち上げにもSalesNowを活用していきたい
Q. まずは会社・事業について簡単に教えてください。
GMOペイメントゲートウェイ株式会社は、オンライン化・キャッシュレス化・DXの推進を支援する、決済を起点とした各種サービスを提供しています。当社のオンライン総合決済サービスは、EC事業者をはじめ、NHKや国税庁などの公的機関を含む15万以上の加盟店に導入され、年間の決済処理金額は19兆円(2024年12月末時点・連結ベース)を超えています。
決済業界のリーディングカンパニーとして、オンライン決済サービスに加え、対面決済、後払い・BNPL(Buy Now Pay Later)、金融機関・事業会社向けのBaaS支援、さらに海外FinTech企業への戦略的投融資など、幅広い領域で事業を展開。決済と金融技術を通じて社会イノベーションを牽引し、持続可能な社会の実現と社会の発展に貢献することを目指しています。

営業担当者は300名体制で、十数万店舗の加盟店を抱える中、情報収集工数の削減とデータ基盤の整備は、避けて通れないテーマとなっていました。
Q. 導入前の組織課題について教えてください。
大きく2つの課題がありました。
まず1つ目は、企業調査にかかる工数と精度の課題です。
当社のプロダクトは、お客様となる企業に存在する多様な事業体や取り扱う商材によって、提案すべき機能や条件が異なります。たとえば、クレジットカード決済であれば、業種業態によって手数料水準が異なり、クレジットカード不正利用のリスクが高い業種には不正検知ソリューションの提案が求められるといった具合です。近年では、カード不正利用額が500億円を超えたという報道もあり、高額商材を扱う企業への対応には一層の注意が必要になっています。
このように、業種や商材特性を踏まえたきめ細かい提案が求められる中、営業活動の前提となる企業調査や、企業情報をデータとして管理することは非常に重要です。しかし、実際には世の中に存在する業種や商材は多岐にわたり、それらを構造化して社内で整理・管理することが難しい状況でした。
営業担当者が1人で多数のお客様を担当するケースもある中で、営業部門での企業情報の整理にかかる負担は大きく、マーケティング部門でも新規ターゲット企業、既存顧客企業のリスト集計等の精度とスピードに限界がありました。
その結果、不足している企業データに関して、人手による調査が不可欠となり、新規営業リストの作成や既存顧客へのアップセル・クロスセル活動において、調査工数・精度の両面で課題が顕在化していました。
たとえば「不正検知ソリューション」を特定条件に合致する既存のお客様へ提案したい場合でも、対象となる企業を手間なく高精度にリスト化するのが困難で、リスト作成にかかる労力の大きさから、現場では後回しにされがちでした。
2つ目の課題は、膨大な顧客データ基盤の整備と活用です。
営業300名体制で、十数万店舗の加盟店様を抱える中で、各社の状況を把握し、個社ごとに最適な提案を行う必要がありますが、情報の重複や正確性に課題があり、日々新たなデータの整理が求められていました。
SFAをはじめとした営業データ基盤の整備は急務でありつつも、データのクレンジングやエンリッチメントには相応の難易度があり、常に改善サイクルを回している状態でした。
社内には、データを蓄積する体制そのものは整っていましたが、それをどのように活用するかという視点が十分でなかった点も課題の一つです。多くの加盟店様に支えられている当社だからこそ、営業活動の生産性を最大化するためのデータ基盤整備は避けて通れないテーマだと感じています。

高い名寄せ率や、SalesNow独自データなど、「データ品質」が決め手でした。
Q. SalesNow導入までの検討内容や、導入の決め手について教えてください。
老舗のデータベースツールやABMツール、インテントデータツールなど複数の選択肢を比較検討した上で、最終的にSalesNowの導入を決めました。
まず、導入検討において最も重視したのはデータ品質です。
当社は、様々な規模・業種のお客様にご利用いただいているため、データ基盤の整備においては多様な企業データと連携できることが非常に重要です。その観点から、約500万社の企業データを保有するSalesNowは、最も有力な候補となりました。他社ツール2種と並行して無償の名寄せ検証を実施したところ、SalesNowが最も高い名寄せ率を記録。この結果が、導入判断の大きな後押しとなりました。
加えて、SalesNow独自の「売上予測」データも大きな魅力でした。当社では、企業の売上規模感に応じて最適なサポートを届けられる営業担当をアサインしているため、企業の売上推定値が取得できることは、サービス提供品質の向上に直結します。
さらに、SalesNowが提供するプレスリリースなどの企業アクティビティ情報も、営業活動のトリガーとして非常に有用でした。新サービスの立ち上げや事業開始のタイミングは、決済ニーズが高まりやすく、当社がアプローチを強化したい局面でもあります。
次に重視したのはコストパフォーマンスです。
マーケティングチームが主導して企業データベースツールの導入を検討していたのですが、営業管理を含む他社ツールは機能が多すぎる分コストも高く、導入時に相当な社内巻き込みが必要という印象がありました。その点、SalesNowは営業・マーケティング・データ基盤整備という複数の目的に対して、必要な機能が過不足なく整っており、コストとのバランスも非常に優れていると感じました。
事業目標を達成するためには、精度の高いデータを用いた効率的なアプローチが不可欠です。その実現に向けて、SalesNowは非常に適した選択肢でした。

営業1人あたり3時間かかっていた業務がわずか数分に。「データを使って営業する」という文化が醸成されました。
Q. SalesNow導入後の成果について教えてください。
SalesNow導入後、いくつもの具体的な成果が得られています。
まず、企業情報収集にかかる工数を大幅に削減できました。
これまで営業1人あたり約3時間かかっていた企業調査の作業が、SalesNowの活用によって数分に短縮されました。 SalesNowを通じて、各企業が属する業界区分から取り扱うサービスまでを、大・中・小あわせて約3,000種類の区分で把握できるようになり、営業現場にとっての情報収集が圧倒的に効率化されたと感じています。
マーケティングチームにとっても大きな変化がありました。 SalesNowの直感的なUI上でスピーディーにリストを作成できるようになったことで、営業部門が求めるターゲティング条件に対して、スピード感をもって応えられる体制が整いました。これにより、マーケと営業が一体となったターゲティング活動が可能になっています。
次に、Salesforce連携によって、データエンリッチメントも実現できました。
SalesNowを活用すれば、Salesforce上に法人番号さえ登録されていれば、外部の企業データが自動で取り込まれるため、スムーズなデータ統合が実現しています。さらに、取り込まれたデータはBIツール上での分析にも活用可能で、これまで時間を要していたデータ加工や集計の手間をかけることなく、データ活用の高度化に一歩近づいたと感じています。
たとえば、受注企業の業界区分や従業員数レンジなども自動で可視化されるようになったことで、営業部門から「この業界を攻めたい」といった要望があった際、対象となる企業が5社なのか、50社なのかといった議論を、明確な根拠を持って行えるようになりました。
結果として、社内には「データを使って営業する」という文化が着実に醸成されつつあります。これまで属人的だったターゲット選定やアプローチ計画が、より筋の良いデータドリブンな議論に基づいて進められる環境が整ったのは、大きな成果だと捉えています。

あらゆるデータを横断的に統合し、データを共通言語として活用していきたい。
Q. SalesNowで今後取り組んでいきたいことを教えてください。
まず、営業データ基盤の整備をさらに強化していきたいと考えています。
SalesNowを活用したデータのクレンジングやエンリッチメントを推進し、より高度な分析が可能な環境を構築していく予定です。そのうえで、営業・マーケティング部門が実行する施策の精度を高め、お客様により価値のある提案ができるデータ基盤を整備したいと考えています。特に、新規・既存・失注企業といったあらゆるデータを横断的に統合し、活用できる体制を目指しています。
また、営業とマーケティングの目線を合わせるために、データを共通言語として活用していきたいと考えています。
たとえば、マーケティングから営業への情報提供をよりタイムリーに行い、連携を密にしていくことで、両部門が一体となって顧客アプローチを進められるようにしたいと思っています。資料ダウンロードや問い合わせが発生したタイミングで、マーケティング側が顧客の動向を察知し、営業に共有するような運用も視野に入れています。営業が拾いきれていない見込み顧客の動きを、データを通じて拾い上げ、次のアクションにつなげていきたいと考えています。
さらに、今後は新たなプロダクトや事業の立ち上げにもSalesNowを活用していく構想があります。まだリーチできていない業界や企業に対して、どの程度の市場規模があるのかをスピーディーに試算できる手段として有効だと考えています。新規事業の成功可能性を高める意思決定を、データの力で支えていきたいと思っています。

取材のお時間いただきありがとうございました!