

User’s VoiceVol.045
株式会社YOUTRUST
2017年12月 設立 クラウド系/SaaS/ASPサービス
104名(2025年4月現在)
SalesNowを基盤に、データドリブンな戦略設計が可能になりました。
「日本のモメンタムを上げる偉大な会社を創る」をビジョンに掲げ、日本のキャリアSNSおよびネットワークリクルーティングサービスYOUTRUSTを提供する株式会社YOUTRUST。キャリア事業部の鈴木様、本多様から、導入前の事業課題や、なぜSalesNowの導入に踏み切ったのか、導入後の成果についてお話を伺いました。
導入前の課題
- 市場全体における自社の立ち位置が把握できていなかった
- 法人営業の生産性改善のために必要な企業データが不足していた
導入の決め手
- SalesNow独自のアクティビティデータの充実度
- 企業属性データの精度とカバレッジの高さ
- Salesforce連携における名寄せ率の高さ
導入後の成果
- データを活用することで商談獲得率が純増
- マーケットの可視化を通じて戦略設計がデータドリブンに進められるようになった
- エンタープライズ領域の開拓強化に繋がっている
今後の展望
- 売上の最大化に向けた投資判断の高度化を進めていきたい
- 現場レベルでは商談化率の向上にデータ活用したい
- マーケットの可視化フェーズから一歩進み、戦略構築にデータを直接結びつけていきたい
- SalesNowのデータを活用した競合調査にも注力していきたい
Q. まずは会社・事業について簡単に教えてください。
株式会社YOUTRUSTは、「日本のモメンタムを上げる 偉大な会社を創る」をビジョンに掲げ、日本発のキャリアSNS「YOUTRUST」などを展開しています。
法人向けには、人と人とのつながりを活かしたネットワークリクルーティングを提供しており、従来の求人媒体とは異なる新しい手法でマッチングを実現しています。また、メディア事業としては、約35万人(2025年5月時点)のユーザー基盤や屋外広告(OOH)を活用し、採用ブランディング支援にも注力しています。
YOUTRUSTの大きな強みは、デジタル人材が多く集まるプラットフォームである点です。いわゆる転職サイトには登録していない転職潜在層にもアプローチできるため、他のサービスでは出会えない人材と接点を持つことが可能です。
さらに、ネットワークベースのスカウトにより30%を超える高い返信率を実現しており、候補者との初回接点から面談に至るまでのハードルを大きく下げることができています。

市場全体における自社の立ち位置を把握し、データドリブンな戦略立案を進める必要が出ていました。
Q. 導入前の組織課題について教えてください。
導入前には、大きく2つの組織課題がありました。
1つ目は、市場全体における自社の立ち位置が把握できていなかったことです。
ありがたいことに事業としては年々成長していたものの、客観的に見て「どのような企業に支持されているのか」「どこにまだ開拓余地があるのか」といった視点が不明瞭でした。社内には戦略を立てるためのマーケットデータが不足しており、仮説ベースで進めるしかない場面が多かったため、データに基づく判断軸を持ちたかったという思いが強くありました。
2つ目は、法人営業活動に必要な企業データの不足です。
当時は、会社名とメールアドレス程度の情報しかなく、ターゲットとなる企業の業種や成長性、採用状況などの判断材料がありませんでした。たとえば、BDR(Business Development Representative)活動を行おうとしても、企業の選定自体が困難な状態でした。
特に、当社のターゲットは「採用を強化している企業」や「成長フェーズにある企業」です。そのため、採用募集を出している企業を手動でリストアップする取り組みも行っていましたが、情報収集には膨大な工数がかかり、網羅性にも限界がありました。また、マーケット全体を俯瞰した上での市況分析や、既存顧客との相性の良いセグメントの特定、開拓余地のある領域の特定なども、データ不足により十分に行えない状況でした。
その結果、ターゲットを見つけるための情報も、分析に活用できるデータも社内にほとんど存在しておらず、ISメンバーが毎日2時間以上をかけて手作業でリストを作成している状態でした。生産性の面でも大きな課題を抱えていたと感じています。

「企業情報の深さ」と「名寄せの精度」が決め手でした。
Q. SalesNow導入までの検討内容や、導入の決め手について教えてください。
インテントデータツール、ABMツール、老舗の企業データベース、安価なリスト作成ツールなど複数のサービスを比較検討したうえで、最終的にSalesNowの導入を決定しました。
導入の決め手となったのは、SalesNow独自のアクティビティデータの充実度です。
求人媒体データが格納されており、採用情報がリアルタイムで取得できる点は特に魅力的でした。弊社の競合企業が採用を強化している動きを把握できることもあり、市場動向をとらえた営業活動やアプローチ先の精査に役立つ情報として高く評価しました。
また、企業属性データの精度とカバレッジもSalesNowならではの強みでした。
たとえば、従業員数の増加率によって成長企業を抽出できる機能や、業界・業種のセグメントが非常に細かく定義されている点は、これまでに活用していた他社サービスにはない特長でした。従来ツールではデータの粒度が荒く、意図通りの分析が難しいことが多かったため、この精度の違いは大きなポイントでした。
さらに、Salesforceとの連携における名寄せ率の高さも導入の決定打になりました。
Salesforce上には企業名とメールアドレスしか情報がない状態でしたが、SalesNowを通じて企業データを補完することで、名寄せが正確に行えるかを事前に検証しました。その結果、他社サービスと比較して約10%以上高い名寄せ率を記録し、十分に実用に耐えうると判断しました。

データドリブンな戦略設計が可能になりました。
Q. SalesNow導入後の成果について教えてください。
SalesNowの導入によって、複数の領域で明確な成果が得られています。
まず、データを活用することで商談獲得率が純増しました。
これまで放置されていたリードや、温度感が低いと判断されていた商談に対しても、直近で採用媒体に求人を出している企業を特定できるようになったことで、採用ニーズのタイミングを捉えたアプローチが可能になりました。その結果、従来は見逃されていたリードから新たな商談が創出されています。
次に、マーケットの可視化を通じて戦略設計がデータドリブンに進められるようになった点も大きな変化です。
従業員数やその増加率を軸に、市場全体の企業数を可視化し、過去に契約実績のある企業の割合と照らし合わせることで、ホワイトスペースの特定やシェア率の把握が可能になりました。過去売上額との相関も見ながら、戦略的な市場開拓が実現しています。
また、リスト作成業務も月あたり20時間の工数削減に繋がっており、現場の業務効率にも大きく寄与しています。
さらに、エンタープライズ領域の開拓強化にも貢献しています。
従来、エンタープライズを「なんとなく従業員数が多い企業」や「業界イメージ」によって分類していましたが、SalesNowの導入により、従業員数や業種といった明確な基準で定義・抽出が可能になりました。その結果、実際に商談獲得にもつながっており、SMB/スタートアップ/エンタープライズといったセグメント分けが定量的な根拠に基づいたものに変わりつつあります。
加えて、現場でもデータ活用が進んでおり、メンバーがSalesNowスコアを参考にターゲティングを行う状態が浸透しつつあります。結果として、「なんとなくの感覚」ではなく、データを基にした質の高い議論が組織全体で行えるようになってきました。

SalesNowのデータを元に、売上の最大化に向けた投資判断の高度化を進めていきたい。
Q. SalesNowで今後取り組んでいきたいことを教えてください。
今後は、売上の最大化に向けた投資判断の高度化を進めていきたいと考えています。
その第一歩として、各セグメントごとに商談単位のLTVや継続率などを掛け合わせた「商談期待値」を算出しており、その数値に基づいてセグメントごとの投資許容ラインを設定しています。SalesNowのデータを活用しながら、こうした投資配分の意思決定を、より定量的かつ戦略的に行っていきたいと考えています。
また、マーケットの可視化フェーズから一歩進み、戦略構築にデータを直接結びつけていくための検証も進めていく予定です。具体的には、LTVが高い企業を実際に獲得できているか、またその成果が数値面で明確に現れているかを、SalesNowの企業データと紐づけながら確認していきたいと考えています。
現場レベルでは、商談化率の向上が引き続き重要なテーマです。1社ごとの顧客解像度をさらに高め、競合サービスの利用状況や予算感を把握しながら、営業活動の質を引き上げていきたいと思っています。
さらに、マーケティングの観点では、SalesNowのデータを活用した競合調査にも注力していきます。自社と競合とのポジショニングを客観的に把握しながら、市場の中での立ち位置を明確にし、より強いポジションを築くための意思決定に役立てていきたいと考えています。

取材のお時間いただきありがとうございました!